ライフプランナーとしての葛藤
そんな経緯でソニー生命に入社しました。この会社の営業マンはライフプランナーと呼ばれ、当時26歳だった私はその時に入社した全国80名ほどのライフプランナーの中で最年少でした。
横浜での3日間の集合研修を終えて大阪の支社に戻り、1ヶ月は朝から晩まで研修の日々です。この時に、生命保険に対する見方というか考え方が大きく変わりましたね。
ひと言で言うと「守るべきものがある人にとって、本当に大切なもの」なんだということを実感したわけです。この考えは、今でも私の中に根付いております。
研修を終えていよいよ営業デビューとなるのですが、そもそもプロの保険営業マンになりたいわけではなく「プロのFPとして力をつけたい」というのが本音なわけですから、この保険営業というものに随分苦労しました。
「身近な人の保険こそちゃんと見直してあげるべき」という考えと「でも保険の営業に来られるのって迷惑だよね」っていう気持ちが交錯しておりましたから。ですから、当時も今も、自分から進んで話をすることってあまりありません。「余計なお世話かな」って思う気持ちが大きいのです。
この感覚は今でも変わっておらず、だからこそ「邪魔にならない相談相手」というフレーズを使い続けているのです。
インターネットによる情報提供や、セミナーや原稿執筆を通じたFP知識の普及という活動に力をいれるようになった原点でもあります。
そんなわけで、結構複雑な想いを抱えてスタートを切ったのですが、それでも何人かの方から「保険会社に行ったんなら、自分の保険を見て欲しい」という声をかけて頂いたり、お知り合いを紹介してもらったりで、徐々に契約数も増えていきました。その年の年末にあった社内のコンテストでは入賞することもできまして、とりあえず自分なりのスタンスを見つけていけたのかなって思います。