無料相談を通じて得た実感

ここまでの流れを経て、2001年3月にFPとして独立を果たしました。

この当時、仕事の多くが大阪だったこともあり、最初に事務所を構えたのは天満橋にあるマンションの1室でした。

ところで、私のFP独立に至る道においては、多くのFPの方のお世話になっております。この場をお借りし、改めて感謝の意を表します。大阪での事務所立ち上げ時も、ある大先輩のFPの方に全面的にバックアップしていただきました。

独立した当時は、FP講座の講師と郵政くらしの相談センターの2つが仕事の柱でした。

今は存在しない「暮らしの相談センター」は、当時全国で実施されており、このころ独立されたFPの方は、ここでの相談員が出発点という方も多いのではないかと思います。

いわゆる無料の貯蓄相談所でして、保険や運用、住宅ローンの相談が無料で受けられるということで、1日4枠の予約はいつも一杯だった記憶があります。もちろん少ない日もありましたけどね。

1年半ほど相談員を務め、延べ300人(もっとかな?)ぐらいの方のご相談を受けたわけですが、ここは公的な機関でしたので、具体的な話をすることは禁じられていましたし、「続きは個人的にお伺いします」といって名刺を渡すなどもってのほかでした。

立場上当然のことではあるのですが、アドバイス自体が中途半端なものになってしまい歯がゆさを感じていたのも事実です。

それでも、利用者の多くの方には大変好評だったようで、「こういうところがあるなんて知らなかった」「もっと早く来たかった」という声も多く頂いていたようです。FPが求められているんだ、という実感を持った瞬間であり、私の個別相談の原点でもあります。

その後、保険のときのお客様やそのご紹介などによって、有料での相談業務や顧問契約も少しずつ頂き、個別相談を受けるFPとしての活動が広がっていきました。

業務の充実、そして地元へ

独立後半年ほど経ったころでしょうか、事務所立ち上げ時にお世話になり、その後も多くの仕事を一緒にしていたFPの方から、「どうせやったらうちの事務所を使わへんか?」というお話をいただきまして、その方の事務所の一角を間借りすることになりました。

それから約2年間に渡り、色々と仕事をご一緒させていただきましたが、元来が一匹狼気質で、自由に動きたいという想いが強くなっていたことと、最終的には地元である滋賀県に事務所を構えたいという気持ちがありましたので、2003年7月に自分の会社を滋賀県草津市に設立し、拠点を移すことになったのです。

この頃になると、FP資格の取得者も大幅に増えてきたこともあり、講師業や原稿書きなどは随分仕事の単価が下がっていましたが、講師としてそれなりに実績を積んできたこともあり、仕事の幅はどんどん広がっておりました。

関西地区の多くの大学に、FP講座の講師として行くようになったのもこの頃です。特に母校でもある立命館大学では、FP講座の立ち上げからお手伝いさせていただき、9年ほどに渡って多くの学生さんがFP資格を取得されていく姿を見てきましたので、思い入れもひとしおです。

それ以外では、滋賀県金融広報委員会の金融広報アドバイザーとしての登録や、金融知力普及協会の認定インストラクターとしての活動も始めました。ここでの活動では、主に企業や学校、地元の自治会などでセミナーを行うことで、お金周りの様々な知識や情報を多くの方にお伝えしてきました。

高校時代にバンドのボーカルをやっていたころから、人前で話をするのが好きな人間でしたから、その後も講演業を中心に活動してきたわけですが、この原点は、2004年から2008年ごろの活動にあったのではないかと思います。

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